徳光典子さん (富山県入善町)
フォトグラファー
永らくお待たせしました (^。^;)〜 突撃町民インタビュー!!
さて、今回はご結婚を機に大阪から入善町舟見地区に住まわれている、フォトグラファーの徳光典子さん。
プロの写真家としての情熱と眼差し、女性ならではの感覚で富山の魅力を伝える活動をお聞きしました!
早速ですがいつごろから写真を始められたのですか?
大学の時からです。元々好きで撮っていて、美術系大学の授業でもひととおりしました。
卒業後はコマーシャルフォトのスタジオで2年間勤務し修行したというかんじです。大きなセットを組めるスタジオで、カメラマンやスタイリング部やセット部もあり、家具やモデルさんや食べ物まで何でも撮影する場所で、助手をずっとやっていましたが、なかなかこれは…男性のする仕事だなと(笑)自分が年をとってずっと出来る仕事ではないと思って、そこを辞めて、スタジオにいた人と2人で独立して、大阪のあべのSOHOというところで「写真撮ります」という店を構えてました。
刺激的で体力勝負の世界ですね―!
普通の写真館的なものには全然興味が無かったです。勿論それはそれでいいですが、人には「一生に一回ぐらいは、かっこいいのを撮ってほしい、見て欲しい」という願望があると思います。そういう人をターゲットにしたお店でした。阿倍野は、服やアクセサリー、彫刻とか、ものづくりをしている人が集まる街でした。
路面電車が通って、路地が沢山ありディープな雰囲気です。そのロケーションを生かして場所を選び、モノクロで撮影して現像して送る仕事です。街にちょろっと出て、非常階段とかビルの隙間とかでポーズをとらせたり、ダークさとかカッコよさを、作りすぎず、自然体のままで引き出す。難しいのですが、その人の魅力を演出するのが楽しくてしょうがなかった。それが私の原点になっていると思います。次第に美容院やブライダルの仕事が来はじめて、モデル選びを任せてくれる様になりました(笑)もうノリノリでアメリカ村いってスカウトする。突撃するのも大好きですから。
度胸も感性もいるし、腕に覚えありでだからこそ出来ることですね。
そうですね。アラーキーも言っていましたけど、人の懐に入っていけ、気を許した瞬間を狙えと。そういう時はセクシーさとか可愛らしさが出ると思う。表面的では良いものは作れないと思います。
大阪に維新派という劇団があって、私はフルカワタカシさんという役者さんの大ファンでした。ある時、フルカワさんがご自身の単発の舞台をすることになり、役者とスタッフを募集していました。『カメラマン募集』とは一切書いてなかったけれど、思い切って手紙を出したところ電話を下さって、なんと大阪と愛知の公演をずっと撮ることになりました!脚本は少年王者館の天野天街さんでした。天野さんと古川さんが芝居を作り上げていく現場をずっと撮らせてもらった事は凄く刺激的なことでした。私は突撃タイプですが、100%の自信があって行くというよりは、自分が撮りたいから行く。行った手前、下手なものは出せません。いかにかっこよく、美しく撮るか、頭の中がフル回転状態ですから、レベルアップしたと思います。ぼんやりと型にはまった仕事をやるよりはずっといいと思うし、魅力溢れる被写体がいるから自分も磨かれると思います。
お仕事上、男性と女性のちがいは?
ブライダルの世界は女性カメラマンを探している所が多いです。女同士気持ちがわかるじゃないですか。男性のカメラマンは構図もカチッとしていて確実性は高いけど、やはり同じ女性としてここははっきり写してほしくないなというところを心得ていて、逆に美しく残してほしい女性のちょっとしたしぐさとか表情とかお母さんとのひと時とか、そういうトコに気が利くのが女性ですね。
現像もご自身でするのですか?
流石に今はデジタルです。フィルムの時代の人は、「やっぱりフィルムがきれいやね」と言いますね。深みや味わいはやっぱりいい。現像はすごい手間がかかるので、いまどきの仕事ではないですね(笑)パソコンでぴーっと処理するのを手作業でするということは気が遠くなる作業です。でもこないだ、数年ぶりに「七五三をモノクロフィルムで」という依頼があって慌てて印画紙などなど取り寄せましたが、とても素敵なアルバムになりましたよ!
「女子カメラ部」という活動をされていると聞きましたが教えてください。
「フォルツァ総曲輪」からお誘い頂いたのがスタートです。写真教室は他にもたくさんあるので、どうせやるなら私なりの教室をと考えて「女子カメラ部」としました。ま、男子はいいかなって(笑)…あの、男子はもともとメカに強いから、習わなくても出来るんです(笑)その点、女子はメカに弱いけれど、感性が強いのでそこをフォローしてあげたい、テーマにしたい。撮りたいもの・大切に思っているものがそもそも違いますし。それに女子同士だと質問や話もしやすいでしょ。今は「アナザーホリデー女子カメラ部」も発足しました。岩瀬の人や県内からいろんな人が来てくださっています。
「女子カメラ部」ではどんな内容を学べるのですか?
全6回、3か月の教室です。何となく知っているけど解っていない「シャッタースピード」「絞り」「レンズの種類」など。写真の基礎を、お話しながら「じゃやってみましょう〜!」といって、岩瀬の大町通でチーム別に走ったりジャンプしたり撮影しています(笑)
街なかにカメラ女子がいる風景って素敵ですね!
走ってたり、流し撮りしていたり、石畳にへばりついてたり(笑)すごく楽しいですよ。
私はこの活動は面白いなぁと思っているけども、カメラ好きなおじさんとかはそんなの興味ないのかな(笑)
女子はこういう活動にはすごくピンと来る。
富山の専門学校や黒部の住宅メーカーショールームでもしました。
入善の沢スギも行きましたよ。サクラの写真を撮るには夜明け直後の光がいいという情報をきいて『乙女キクザクラを撮りに行く』為に6時半に集合!まさかの朝練(笑)!
「あの、8時になったら、私仕事に行かなきゃいけないんで〜」「あ、時間の方はぬけてください」って(笑)眠かったけど爽やかでした!いい光が差す時間帯は大事です。
入善の街なかで撮るならば、駅前の昭和な雰囲気がいいですね。北銀の駐車場あたり、味が合ってよさそうです。
カメラ部は年齢も職業も全然違うけれど、みんなで一緒に写真で苦労している。 今日撮ったのをプリントしてもってきてねと言えば十人十色な写真が出てきますし、見せ合いっこで盛り上がります。自分ひとりでやっていると、つまんないなぁとか、これでいいのかなぁとか思うかもしれませんが、失敗したと思う作品が逆に褒められたり、驚かれたりして、意外な反応がある。つまりそれは、自分のことを実はよく解っていないともいえると思います。自分の魅力を人がみつけてくれる、自分はちがう目線があることも解る。それを写真を通して残せるのが面白いです。
話しは変わりますが、イケメン好きとお聞きしました!
もともと人を撮ることに興味があります。ひとことに「人」といってもカメラマンによって得意分野ってあるんです。私の場合は男性の写真が得意ですね。自分の作品展をする時には魅力的なモデルを探します。
出来上がっているイケメンは好きじゃなくて、自分で良さに気付いてないような“原石”がいい(笑)
自分の理想形、妄想の中に出てくる王子様みたいな人、物語の中から抜け出してきたかのような人が実際にその辺にいることがある。そういう人をスカウトします(怖)!
最後になりましたが、入善に来られていかがですか?
結婚で大阪から入善に来た当初は「雪、大丈夫か!」「入善町、熊出たってニュースで出とったけど!」 と、友達や親には心配されました。だまされた!?と(笑)。でも私は意外と天然で、実は何も考えずに来てしまいました。 富山の人からは「大阪からこんなところにきてつまんないでしょ、何にも無くて。」と言われることが多いです。「富山の人って謙虚」とよく言われますよね?私は「謙虚」を超えて「コレってどうなん(怒)」と思います(笑)
富山の人は非常に真面目で、自虐ネタを言ったら慰められるし、ツッコミがないからますます会話が暗くなって。そこ、ツッコむとこやし!笑うとこやし!と。それが原因で急性胃炎になったこともあります(笑)。イイところがいっぱいあるし、もっと地元のことを自慢していいと思います。関西人は「大阪のどこそこがいい」「もう行った?絶対行きや!ええで〜」と“もうええわ!”っていうぐらい推してきますが、それは地元への愛なんです。いろんな出来事があるけど、どうぜ同じ目にあうのだったら笑ったほうがいいです。
しかし、たまに大阪にかえると最近の私、ただのいい人になりつつあることに気づく…「大阪の人間が唾吐いたらアスファルトが溶ける(by維新派・松本雄吉)」ぐらいの毒舌とユーモア、フォーエバーと自分に言い聞かせます(笑)
今度、ノリ・ツッコミの教室と女子カメラ部入善支部をお願いしたいと思います(^^)ありがとうございました!
◆徳光さんのお店とアトリエ
『紅茶の店アナザホリデー』
【住所】富山市岩瀬梅本町115 TEL:076-438-6303
そろばん塾だった民家を改造し、きどらないほっこりできる空間「アナザホリデー」。チャイをはじめ、ちょっと優雅な気分に浸れるアフタヌーンセットが人気。ときどき行われるライブもお楽しみのひとつ。ピアノマン・リクオさんのライブは、リクオさんの大ファンである徳光さんが“突撃”で依頼したのがきっかけで始まったそう。この時はソウルフラワーユニオンの中川さん&奥野さんもサプライズで登場!